『温故知新』深い意味
最近のベストセラー『「いい質問」が人を動かす』著者/谷原誠 文響社
企業、夫婦、親子と全ての人間関係に役に立つ本です。
この本を読みながら、
論語の一説「温故知新」を思い出しました。
故きを温(たず)ねて 新しきを知る 以て師と為るべし
安岡正篤先生の「知命と立命」に面白い話が載っていました。
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「困」という字は面白い。
囲いの中に木を入れてある。
木という物はぐんぐん伸びなければならない。
それをこういう所に入れてしまったら、
これくらい木の困ることはない。
つまり伸びられないということが「困」という字である。
人間にしたらどうだ。
囲いの中に「人」を入れると囚人の「囚」となる。
囚人というのは
何か悪いことをしたから牢獄へ放り込まれた。
でもこんな奴も人間で可愛そうだから、
飯を食わしてやる(皿=食物)
お茶も飲ましてやる。(氵=水)
それを「溫い」という。
そうして、囚人に門番が
お前はどうしてそういう悪いことをしたかと尋ねてやる。
これがつまり法律、裁判という物がある所以である。
だからこの「溫」という字を「たずねる」と読む
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と書かれています。
牢獄の門番(裁判官)は毎日、囚人に食事をとらせながら、
どうしてこんな所に来たのか?
何があったのか?と「たずねて」(質問して)
囚人の過去を聞き出す。
温故(ふるきをたずねる)
安岡先生は温(たずねる姿勢)が大切だとも教えています。
門番は毎日、囚人に飲み物や食べ物を運びながら信頼関係を築く。
信頼できる門番だからこそ、
囚人は胸襟を開き、過去を語り、罪を認め、過ちを悟る
そして更生する気持ちになる。
『温故知新』
一般的な解釈に安岡先生の教えを加えると
2,500年前の先人の知恵の素晴らしさが蘇ってきます。
企業の発展、部下の育成、夫婦円満の秘訣は、
互いの信頼関係を築くことから始まることを教えていただきました。
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