『温故知新』深い意味最近のベストセラー『「いい質問」が人を動かす』著者/谷原誠 文響社企業、夫婦、親子と全ての人間関係に役に立つ本です。この本を読みながら、論語の一説「温故知新」を思い出しました。故きを温(たず)ねて 新しきを知る 以て師と為るべし安岡正篤先生の「知命と立命」に面白い話が載っていました。*******************************「困」という字は面白い。囲いの中に木を入れてある。木という物はぐんぐん伸びなければならない。それをこういう所に入れてしまったら、これくらい木の困ることはない。つまり伸びられないということが「困」という字である。人間にしたらどうだ。囲いの中に「人」を入れると囚人の「囚」となる。囚人というのは何か悪いことをしたから牢獄へ放り込まれた。でもこんな奴も人間で可愛そうだから、飯を食わしてやる(皿=食物)お茶も飲ましてやる。(氵=水)それを「溫い」という。そうして、囚人に門番がお前はどうしてそういう悪いことをしたかと尋ねてやる。これがつまり法律、裁判という物がある所以である。だからこの「溫」という字を「たずねる」と読む*******************************と書かれています。牢獄の門番(裁判官)は毎日、囚人に食事をとらせながら、どうしてこんな所に来たのか?何があったのか?と「たずねて」(質問して)囚人の過去を聞き出す。温故(ふるきをたずねる)安岡先生は温(たずねる姿勢)が大切だとも教えています。門番は毎日、囚人に飲み物や食べ物を運びながら信頼関係を築く。信頼できる門番だからこそ、囚人は胸襟を開き、過去を語り、罪を認め、過ちを悟るそして更生する気持ちになる。『温故知新』一般的な解釈に安岡先生の教えを加えると2,500年前の先人の知恵の素晴らしさが蘇ってきます。企業の発展、部下の育成、夫婦円満の秘訣は、互いの信頼関係を築くことから始まることを教えていただきました。2016.12.17 04:46
人生において本当に大切な物は何か********************************ビルは高くなる一方だけど、人の気は短くなる一方だ。高速道路は広くなったけど、人の視野は狭くなった。お金はじゃんじゃん使っているが、得るのは少ない物は買いまくっているものの、楽しみは少なくなるばかり。学のある人は増えたが、常識がある人はめっきり減った。薬が増えたのに、病気がなくなる気配がない。夜更かしをし過ぎるあまり、朝起きた時にはすでに疲れている。たくさん物を持つ、その一方で物の価値が目減りする。愛するということをしなくなって、いつの間にか憎むことばかり増えてきた。私たちは生計を立てることは学んだが、生きることを学んでいないのだ。寿命が増えただけで、真の意味で生きてなどいない。月まで行けるようになったというのに、隣人とはトラブルばかり。沢山書いているのに多くを学ばず、計画は増えたのに成し遂げられていない。急ぐことばかりを覚え、待つことを忘れた。ファーストフードのお蔭で消化は遅く、体は大きくて人格は極めて小さい。共働きで収入が増えたけど離婚も増えた、見た目ばかり良い家が増えたけど、その中身は崩壊している。テクノロジーはあなたの元へすぐにメッセージを届けてくれるけど、読むも読まないも、また消すのだって、今やあなたの指先ひとつで全てが決まる。今はそういう時代なんだよ。忘れないで、愛する人と多くの時を過ごすことを。だってその時は、永遠に続かないのだから。忘れないで、あなたに畏敬の念を抱く人たちに優しい言葉をかけることを。だって彼らはすぐに大きくなって、いずれあなたの元を去って行くのだから。忘れないで側にいてくれる人に、温かいハグをすることを。だってこれが、あなたが持っている一番の宝であり、これをするのに一円もかからないのだから。忘れないで、愛する人に「愛している」と伝えることを。その時どうか、心をこめて、心からの抱擁と握手は、相手の心をも必ず深く癒してくれるから。忘れないで、相手の手を握り、共にいる時間を慈しむことを。だってその人はいずれ、あなたの前からいなくなってしまうかもしれない。愛するため、話し合うため、そして思いを共有し合うための時間を作って。そしてどうか、これだけは覚えていておいて。人生は呼吸の数で決まるのではなく、どれだけハッとする時間があったかで決まる、ということを。(※一部抜粋 文=田端あんじ)********************************アメリカのコメディアン「ジョージ・カーリン」が最愛の奥様を亡くした時、友人に送った手紙の一部です。人性を振り返った時どれだけ、心が震える瞬間があったか息を呑む瞬間があったか胸が熱くなる瞬間があったか大切なことはその瞬間を逃さず、心に刻むことではないでしょうか。2016.12.08 06:46
ゴルフが上手な人は読まないでください。ゴルフは止まっているボールを打つゲームです。ハエや蚊は動かなければ簡単に叩くことができます。しかし、止まっているゴルフボールを的確にヒットさせることは決して簡単なことではありません。何か、時の流れや人生によく似ていると思う時があります。クラブを構えてボールを見つめるのが現在、ボールを打つためのバックスインが過去、ボールを打った後のホロースイングが未来。バックスイング(過去)の形にこだわると、腰がスウェーしてボールの芯をとらえることができません。ボールの行き先(未来)を気にし過ぎたフォロースルーはヘッドアップとなり上手くヒットしません。ボールから目を離さず、ボールの位置、クラブの角度やグリップを正しく理解し、ゆっくりスイングすると力強いボールをヒットすることができます。過去は今の蓄積です。過去を振り返ることはできますが、過去に戻ることはできません。未来に行くことはできませんが、未来が今を創り上げます。少しだけ過去を振り返り、チョット先の未来を見つめ、現在に集中する。今を見つめる大切さをゴルフボールに教えてもらいながら日々、練習に練習を重ねています。私なりのこだわりを持って(笑)2016.12.01 09:59
リーダーは男女問わず『男』である安岡正篤氏の人間学講座「運命を開く」に「男」の説文学という一節があります。男の上の文字「田」。周りの□は一定区画を表す。真ん中の十は縦横の道を表す。即ち田には道が大事だ。田地だけではない、人生すべてのこと然り、何処へ行くにも、何をするにも、まず道をつけなければならぬ。道を践なければならぬ。それによらなければ動きが取れない。人格も道をつける、道を知るということがなければ何もできるものではない。さらに力は「(つと)める」と読む とあります。調べてみると単にパワーを意味するだけではなく、精を出して事を行うという意味もありました。男と言う字は、田に力めると描き、物事に縦横の道をつけること。つまり男とは〝道を知り、自らその道を切り拓く力のある者″ということではないでしょうか。肉体的な力や財を成す力を得ていても人の道を知らず、人の道を踏み外す者は「真の男にあらず」とこの字は教えているのです。リーダーたる者男女を問わず『男』でありたいものです。2016.11.30 08:35
ご存知でしたか?浦島太郎の話。童話「浦島太郎」は室町時代から伝わる誰もが聞いたことのある昔話です。亀を助けた優しい心を持つ漁師へ急激に老いるという罰を与える物語は私たちに何を伝えたいのでしょうか。月刊誌「知致」に興味深い記事が載っていました。浦島太郎は「良い所がありますよ」という亀の誘いに、なぜ乗ったのか。なぜ開けてはいけない玉手箱を開けてしまったのか。-解説- ※諸説あります浦島太郎は、亀を助けてやったのだから自分が望んでいる「良い所」に連れて行ってくれるだろうと勝手に思い込んでしまった。しかし、漁師という職業で家族を養い、生計を立てていた浦島太郎にとって竜宮城での暮らしは自分の求めていた「良い所」ではないことに気づき土産をもらい、帰ることにした。ところが時既に遅し。戻った場所は数百年後、太郎を知る者は誰一人いなかった。そもそも、亀の言う「良い所」と浦島太郎の想像する「良い所」は異なっていたのです。互いが確認せず、思い込みで行動に移した結果、職と家族を失いさらにその思い込みは、開けてはならない玉手箱を開けたことにより老いを代償として払わなければならないという結末となりました。童話「浦島太郎」は身勝手な思い込みの恐ろしさを教えてくれる昔話だったという記事でした。友人に「良い店がある」と誘われて一緒に行ってみたら、彼の馴染みの店であり、彼にとっては良い店であることに気づき、腑に落ちない気分で家路に就いた。こんな経験、ありませんか?今も昔も思い込みで失敗してしまうことってよくありますよね。くれぐれもお気を付け下さい。2016.11.17 01:11
龍と経営者私は若い時、よく龍の夢を見ました。幼いとき遊んだ川に入り、魚を追っていると大きな鯉が出てくる。鯉を追って川を上って行くと滝壺が現れ、鯉が突然龍に変わり、私に襲ってきて目が覚める。おかしな夢だと思っていましたが、数年前、易経学者竹村亜希子さんの講演会に参加した際、龍は鯉の化身であることを知りました。そして『易経』の最初に出てくる龍の物語を聞いた私は若い頃見ていた龍の夢を通して、何か一本の線につながったような感覚になりました。易経にある龍の物語は6つの段階で構成されています。第一段階 潜龍/志を立てる第二段階 見龍/師となる人物に見習う第三段階 乾惕/失敗を反省し、糧とする第四段階 躍龍/独自性を持って、リーダーとして一歩を踏み出す第五段階 飛龍/雲を呼び、雨を降らす。リーダーとしての能力を発揮し志を達成する第六段階 亢龍/高みに昇った龍は役を終えるこれを「乾為天の龍」といい、人間が成長して行くために必要な過程を龍の成長に例えて説明しています。では、なぜ龍なのか?天は、恵みの雨を降らせ、大地の万物を生み、育む。その循環によってこの世の中を創生するとされています。そして龍もまた、太古から雲を呼び、恵みの雨を降らせ、万物を繁栄させる能力があると信じられていました。龍の絵を思い浮かべてください。龍の周りにはいつも雲があり、自体を雲で隠しています。ここで大切なのは龍が恵みの雨を降らせるのではなく、雲が恵みの雨を降らせているということです。龍が経営者、雲が社員であれば経営者と社員が一体となり、社会に恵みを与えるのが会社です。私自身、世の中から受ける「感謝」という報酬を社員に分け与えることのできる魅力ある経営者でありたいと願っています。そんな私も第六段階 亢龍の時期となってきました。(上九)亢龍悔あり。象に曰く、亢龍悔ありとは、盈つれば久しからざるなり。(用九)群龍首なきを見る。吉なり。象に曰く、用九は、天徳首たるべからざるなり。昇りつめた龍は、いつか降りる時が来ます。私が学び、経験してきたことを後世に書き伝えることで、上手な着地を果たしたいと考えています。2016.11.10 05:47
身長182㎝、大柄だった二宮金次郎の生き方江戸時代後期の日本人としてはかなりの長身だった二宮金次郎。薪を背負いながら本を読む小僧のイメージですがどのような人生を送った人物なのか知る人は少ないでしょう。そんな二宮金次郎の子孫がご存命であることもあまり知られていません。人間学を学ぶ月刊誌「知致」の講演会に参加した際、二宮金次郎の七代目子孫にあたる中桐真理子さんと知り合いました。金次郎の像に込められた教えはどのようなことだったのかと尋ねてみたところ、中桐氏が家族からたびたび聞かされてきたのは「大切なのは本ではなく、背負っている薪。もっと大切なのは一歩踏み出している足」。どんなときでもくじけず足を一歩前に踏み出さなくてはいけない、そのときには勤労や勤勉が役立つというメッセージだったそうです。そして苦難な時でも勇気を持って一歩前に踏み出すことで、心豊かな本物の「笑顔」が生まれることをうつむき加減の銅像を通して伝えたかったのです。と言われました。この話を伺ったとき涙が止まりませんでした。私が幼い時、実家の片隅に二宮金次郎の銅像がひっそりと置いてありました。事業に失敗して、若くして病に倒れ9人の子供たちを残して、旅立った父。父は幼子に教えるには難しすぎる金次郎の教えを銅像を残すことで伝えたかったのでしょう。親になり、会社を興し、人を育てる立場になった私は長い年月を経て、真の教育の在り方を父に教えられたような気がしました。2016.11.08 07:19
坂本龍馬とカンパニー坂本龍馬は1867年12月10日31歳の若さで生涯を終えましたが、150年経った今でも坂本龍馬は老若男女、多くの日本人を魅了しています。なぜでしょうか。江戸お玉が池の千葉周作道場で塾長を務めるほどの腕前となった坂本龍馬は勝海舟と出会い心酔します。そして、二人が命がけで伝えたかったのは「カンパニー精神」だったのではないでしょうか。利益を仲間と分かち合う組織づくりこそが日本の未来を切り拓く革新的一歩となる。私はそう解釈しました。旧来の封建的制度に希望を失った西郷隆盛や大久保利通らに民衆が主役となるカンパニー精神の素晴らしさを唾を飛ばしながら論じた姿が今でも語り草になっています。それほど、いつの時代も損得を超えた志を持った人たちが乱世を沈めてきたのです。私たち経営者も「カンパニー精神」を正しく理解し、社員と共に、夢と希望の持てる会社組織を創ることが日本の発展に繋がると信じています。坂本龍馬や勝海舟に恥じることのない会社経営を心掛けたいものです。2016.11.02 09:50
目覚める幼児期、自我が芽生えるのは3、4歳からと言われます。その頃から養われるのが「自己決定力」です。自分で考え、判断し、決断する力。身近な例として、母親は子供の体をゆすり起こし、無理やり洋服を着替えさせ、ご飯食べさせ、送り出す。時折、通学路で眠そうにフラフラ歩いている子供を見かけます。一日が始まる朝、眠っていたい自分と、起きなければと思う自分が存在します。これからの季節はますます、その二人の自分が行ったり来たり。迷っている間は、布団から出ることはできず現状維持です。「目覚める」とは、二人の自分から一人の自分になることです。私の家内は、朝、2階で寝ている子供を起こしに行きませんでした。1階から「今何時だよ!」と声をかけるだけです。親は子供を起こすことができても、目を覚まさせることはできないのです。幼児期、一日の始まりである朝、自らの意思で目覚める習慣をつけてやるのが親の責務なのです。人生、選択の連続です。選択に時間をかけるわけにはいきません。大人になった今からでも!二人の自分を一刻も早く一人の自分にすること。自己決定力の訓練、始めましょう。2016.10.31 01:57
志しパナソニック創業者である松下幸之助氏。経営者となれば一度は必ず心に触れるであろう人物。私自身が尊敬する経営者の一人です。住宅づくりを生業とする私にとって、志す先が氏と同じだと知ることができた瞬間、改めて身の引き締まる思いがしました。「住まいは人間形成の道場」孟子のことばに〝居は気をうつす〟というのがあるそうだ。つまり、住まいというものは、そこには住む人の心を変化させ、一つの性格を形づくる力をもっているという意味である。たしかにお互い人間は、幼いときからの日々の生活習慣を通じて、いろいろと物事を学んでいく。あるいは感化を受けていく。その生活環境の中心が住まいであって、だから住まいというものは人格形成に大きな影響を与えるものだと思うのである。したがって、私は住まいというものを単に雨露がしのげ、心身の置きどころになればよいと考えるのではなく、さらに進んで、人間を練り鍛える道場、人格の成長をはかる場所という観点からこれを重視するとともに、細心の注意をもって住まいづくりを心がけねばならないと思っている。昭和四十一年十月九日・松下幸之助2016.10.29 03:26
立体設計お客様の低年齢化や都市集中化で間取りの縮小化が進んでいます。低年齢層は家賃並みローンでマイホームを夢見ています。若者の都市集中化は土地購入費が高く、建築費に回す予算が少なくなります。高品質住宅の義務化よる資材や人件費の高騰も、建坪減少の原因です。建坪の削減対象になるのは収納スペースが一番先ですが、お客様が求めているのも一番が収納スペースです。この矛盾を解決するには1・2Fだけの平面設計から、使われていない床下や小屋裏空間を利用する、立体設計力が求められます。外観、内装のデザインも大切ですが、立体設計のデザイン力を磨く時代に入ったと思います。立体設計の確立は天井、床断熱から屋根、基礎断熱に改めるなど、構造の知識と施工技術の取得が求められます。2016.10.26 04:45